コロナ禍で仏検が存続の危機となり、不安を感じた人は多いのではないでしょうか?(私もそうです)
フランス語の学習を志し、その達成状況を図るためには能力認定試験はどうしても必要です。
仏検の他に、どのようなフランス語力認定試験があるのか、2021年4月時点の情報で整理してみます。
その結果、見えてくるのは...
TEF(Test d’Evaluation de Français)
フランス文部省認可。パリ商工会議所が実施する世界共通のフランス語能力試験。
フランス語能力を証明するTEFはフランスの大学編入や国際機関派遣制度でも採用されています。
TEFには必須試験とオプション試験があります。
必須試験(3分野すべて):読解テスト、リスニングテスト、文構成・語句テスト
オプション試験(任意選択):筆記テスト、口頭テスト
詳しいことはこちら(日本語サイトです):
フランス語能力認定試験 TEF|日仏文化協会 (ccfj.com)
検定料金
- 必須試験:15,278円
- オプション試験(筆記):15,278円
- オプション試験(口頭):15,278円
TCF(Test de connaissance du français)
TCFはフランス教育省が行うフランス語学力試験です
TCFはフランス語圏以外の人で、職業上、個人的、或いは学業上の理由から、自分のフランス語能力の水準を簡単迅速に、そして信頼できる方法で評価し、認定を受けたいと望むすべての人を対象としています。
TCFは国際基準・統一規格の語学試験で、必須試験と補足試験があります。
- 必須試験(3分野すべて):リスニング(聴解)、リーディング(読解)、語彙・文法
- 補足試験(任意選択):スピーキング(口頭表現)、ライティング(文書作成)
詳しいことはこちら(フランス語サイトです):
TCF | France Éducation international (france-education-international.fr)
検定料金
- 一般必須試験:12,000円
- 補足試験:各試験センターへお問い合わせください。
DELF(Diplôme d’études en langue française)/DALF(Diplôme approfondi de langue française)
DELFおよびDALFは外国人受験者に対し、そのフランス語に関する能力を証明するためにフランス教育省により授与される公式な免状です。
DELFとDALFは、6つの独立した免状によって構成され、それぞれ「言語に関する欧州共通基準」で規定する6等級区分に対応しています。
詳しいことはこちら:
DELF / DALF – La France au Japon (ambafrance.org)
検定料金
- DELF A1:9,500円
- DELF A2:11,000円
- DELF B1:13,000円
- DELF B2:15,000円
- DALF C1:20,000円
- DALF C2:22,000円
比較検討してみると
TEF、TCF、DELF/DALFをザックリと見てみました。
お金だけで判断してはいけませんが、2021年度の仏検の検定料金は以下のようになっています。
- 仏検5級:4,000円
- 仏検4級:5,000円
- 仏検3級:6,000円
- 仏検準2級:8,000円
- 仏検2級:9,000円
- 仏検準1級:11,500円 (秋季実施)
- 仏検1級:13,500円 (春季実施)
これから仏検の検定料金は、かなりお安いといえます。
しかも試験会場が、他のフランス語能力認定試験と比較にならないほど多いです。
東京・大阪以外に住んでいる人には、交通費や宿泊費も馬鹿になりません。
英検ほどではありませんが、参考書や問題集、公式ガイドブックも揃っていて入手性も悪くありません。
そして結論!
日本に「仏検」があって、よかった
そうだ 「仏検」いこう!
でした。
蛇足(フランス語能力認定試験受験者数の傾向)
最後に、ワールドワイドの視点でみてみましょう。
全世界のフランコフォニーの中で、フランス語学習者(何らかの手段で勉強している人)は8,100万人いるとされています。
そのほとんどは学校で勉強している(フランス語の授業を受けている)のだそうです。
地域別でみるとフランス語学習者の45%は北アフリカ・中東地域とのことです。
DELF/DALFの受験者はといいますと、年間800万人!
TCFの受験者は年間100万人!
いずれも年々増加傾向とのことです。
しかし!
仏検は年々減少傾向で2021年はコロナ禍とはいえ2万人を割り込んでいます。
(2020年はコロナの影響で春季は開催されず、秋季試験の受験者は1万1千人強でした)