仏検のレベルと過去問

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仏検の各級のレベルは?

仏検を受験しようと思う時になるのが、各級のレベルです。

一番聞かれるのが、最初に受験するのは5級か4級かという質問です。

私が答える場合は

  • フランスに観光旅行するとか、ソムリエの試験を受けるとか、フランス語を趣味として学びたい方は5級
  • 大学の第2外国語で選択しているとか、語学学習目的であれば4級

です。

実は4級も5級も動詞の過去形(複合過去と半過去)が含まれるかどうかぐらいで、似たようなものだからです。

5級だから簡単かというと、1問か2問は難しい問題を忍ばせてあるので、そうそう100点満点を取れるものではありません。

そうかといって、趣味が高じてフランス語を学習しようと思われている人が、4級を受験して不合格になってやる気をなくされるのも、非常にもったいないと思います。

ここでは、仏検の各級のレベルについてまとめています。

そして、最後に自分のレベルを知る方法も記載しました。

CEFRと仏検受験レベル

「ヨーロッパ言語共通参照枠」という言葉は聞いたことが無くとも、CEFRという単語は聞いたり目にしたりしたことがあるかと思います。

NHKの語学講座でよく出てくる語学の学習・習得レベルを示す指標です。

CEFRはCommon European Framework of Reference for Languagesの略語で「セファール」と発音します。

基本は6段階のレベルで定義されます。

レベルレベル名
A1学習を始めたばかりの者・初学者
A2学習を継続中の者・初級者
B1習得しつつある者・中級者
B2実務に対応できる者・準上級者
C1優れた言語運用能力を有する者・上級者
C2母語話者と遜色のない熟練者

これに仏検は以下のように対応しています。

CEFRレベル仏検受験級
A1仏検3級
A2仏検準2級
B1仏検2級
B2仏検準1級
C1/C2仏検1級

仏検の4級、5級はCEFRに対応レベルがありません。

APEF公式の仏検受験レベル

仏検の受験レベルの準2級、3級、4級、5級をAPEF公式資料から整理してみます。

仏検準2級

程度
日常生活における平易なフランス語を、聞き、話し、読み、書くことができる。

標準学習時間
300時間以上(大学の3年修了程度。)

試験内容
読む:一般的な内容で、ある程度の長さの平易なフランス語の文章を理解できる。
書く:日常生活における平易な文や語句を正しく書ける。
聞く:日常的な平易な会話を理解できる。
話す:簡単な応答ができる。
文法知識:基本的文法事項全般についての十分な知識。
語彙:約2,300語

仏検3級

程度
フランス語の文構成についての基本的な学習を一通り終了し、簡単な日常表現を理解し、
読み、聞き、話し、書くことができる。

標準学習時間
200時間以上(大学で、第一外国語としての授業なら1年間、第二外国語として週2回の授業なら
2年間の学習に相当。一部高校生も対象となる。)

試験内容
読む: 日常的に使われる表現を理解し、簡単な文による長文の内容を理解できる。
書く: 日常生活で使われる簡単な表現や、基本的語句を正しく書くことができる。
聞く: 簡単な会話を聞いて内容を理解できる。
文法知識: 基本的文法知識全般。動詞については、直説法、命令法、定型的な条件法現在と接続法現在の範囲内。
語彙: 1,670語

仏検4級

程度
基礎的な日常的フランス語を理解し、読み、聞き、書くことができる。

標準学習時間
100時間以上(大学で週1回の授業なら2年間、週2回の授業なら1年間の学習に相当。高校生も対象となる。)

試験内容
読む: 基礎的な単文の構成と文意の理解。基礎的な対話の理解。
聞く: 基礎的な文の聞き分け、日常使われる基礎的応答表現の理解、数の聞き取り。
文法知識: 基礎的な日常表現の単文を構成するのに必要な文法的知識。動詞としては、直説法(現在、近接未来、近接過去、複合過去、半過去、単純未来、代名動詞)、命令法等。
語彙:920語

仏検5級

程度
初歩的な日常的フランス語を理解し、読み、聞き、書くことができる。

標準学習時間
50時間以上(大学で週1回の授業なら1年間、週2回の授業なら半年間の学習に相当)。

試験内容
読む: 初歩的な単文の構成と文意の理解、短い初歩的な対話の理解。
聞く: 初歩的な文の聞き分け、挨拶等日常的な応答表現の理解、数の聞き取り。
文法知識: 初歩的な日常表現の単文を構成するのに必要な文法的知識。動詞としては、直説法現在、近接未来、近接過去、命令法の範囲内。
語彙: 550語

肌感覚での仏検受験級のレベル

これまでの公式な説明で仏検の各受験級のレベルはお分かりになりましたでしょうか?

分かりませんよネ。

標準学習時間で○○時間と言われても、語彙で○○○語といわれても、ピンときません。

ここで、ご批判覚悟で仏検受験級レベルを定義してみると

5級:海外旅行体験からの興味、フランス語の味見をしてみたい人

4級:第二外国語でフランス語を選択した学生の実力確認、単位取得したい人

3級:フランス語の習得を目指すと決めた人の第一歩

準2級:接続法を含めた動詞の活用をマスターできた人

2級:フランス語を専攻した人の第一歩

準1級:仕事でフランス語が必要になった人

1級:フランス語能力を仕事で活す人

ただ、ただですね、仏検受験する側にとって4級と3級の間には深い溝があるのです。

5級、4級までは、一部数字を書きますが、マークシートの選択肢を塗るだけです。

ところが、3級からはフランス語を書かねばなりません。

スペルもアクサン含めて一文字たりとも間違えてはいけません!

つまり仏検3級以降を目指す人は、スペルを含めフランス語学習で完璧を目指す必要があります。

何となくとかではダメで、一字一句正確に書けなければなりません。

そして準2級からは2次試験として面接もあります。

発音も何となくのノリは通用しません。

正しい発音ができなくてはなりません。(アクサンテギュとアクサングラーヴの違いも!)

自分の現時点の仏検合格レベルを知るには?

実際に仏検で出題された過去問をやってみて、どのくらい得点できたかでわかります。

それが一番確実に自分のレベルを知る方法です。

過去問は公式ガイドブックで試すことができます。

2021年度 仏検公式ガイドブック

2021年2月28日

公式ガイドブックを買う前に、さらに手軽に試すことができます。

過去問サンプルとして、2011年度(1級は春季、準1~5級は秋季)と、2008年度(1級は春季、準1~5級は秋季)に実施された問題がそのままAPEF公式サイトに掲載されているからです。

解答もありますので、幾つかの級を試して自分の仏検受験に対しての実力を知ることができます。

2011年度の試験

過去問題サンプル | 仏検のAPEF/公益財団法人フランス語教育振興協会 (apefdapf.org)

2008年度の試験(1次試験のみ)

過去問題サンプル(2008年度1次試験) | 仏検のAPEF/公益財団法人フランス語教育振興協会 (apefdapf.org)

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